ネットショップを作る人 Kwave EC studio

BLOGブログ

ネットショップを作る人・Kwave EC studioのブログです。ECに関する事などなどを記事にしています。

ネットショップを始めようと思ったら決めておきたいーコンセプト設計の話

ネットショップを始めようと思ったら、「まず行動」の前に少し時間をとって考えていただきたい事があります。この考えがあるかどうかで、お店の成功率が変わるといっても過言ではないほど、その後のショップ構築や運用に関わるものになります。

結論から言うと、お店の根っことなるコンセプトを決めておきましょうという事になります。

あなたの販売しようとしている商品がどんなに良いものであったとしても、ただ漠然とネットショップを始めて販売するだけでは、星の数ほどあるネットの世界で埋もれてしまい、お客さんに見つけてもらう事すら困難です。

そこでお店の独自性をアピールをしていくブランド戦略が大事になるのですが、そこに軸となるブレない考えがあると、よりリアルに説得力のある存在として主張する事ができるようになります。この軸となる考えがコンセプトです。
このコンセプトは、お客さんに対してのアピールだけでなく、あなたが経営判断に迷った時にも助けとなることでしょう。

それではコンセプトとは、どのように決めていけばよいでしょうか?

あなたのお店は、誰に何を売るどんなお店ですか?

コンセプトを決める前に、まずはこのシンプルな質問に簡潔に一言で答えられるようになりましょう。

誰に何を売るお店ですか?

「誰に何を売るか」ーーーシンプルな質問ですが、もう少し深堀りして考えてみましょう。

「何を」というのはあなたのお店で販売する商品の事ですね。おそらく大半の方はネットショップをやろうという時点で決められていると思うので、ここでは割愛します。

次にその商品を「誰」に販売するのか、つまりターゲットとなるお客さんについて、あなたはどこまで見えていますか?

ー女性?男性?年齢や職業は?住まいは?ーなどの属性はもちろんですが、具体的な人物像まで見えていますか?ネットショップでは実際お客さんに対面する機会はありませんので、この「誰」のイメージはとても重要です。

なるべく具体的に、こんな趣味趣向でこういう生活を送っている人、というところまでイメージできるようになるまで深堀りしてみてください。有名人や身近な誰かからモデルとなる人物像から探してみるのもよいでしょう。

お客さんのイメージが作れると、例えば「こういう雰囲気がお客さん好きそうだから、ショッピングサイトのデザインはこうしよう」とか「こんな商品を作ったらお客さんに喜んでもらえそう」など、ターゲットに合わせたブレないお店が作れるようになります。

あなたのお店はどんなお店ですか?

「どんなお店」というのは、一見漠然とした質問で答えに戸惑ってしまうかもしれません。しかしながら、あなたが答えられないという事は、お客さんにも理解していただく事はさらに難しいでしょう。

買い物をしてもらう事はおろか、探し出してもらう事すら難しいという事態になりかねないです。運よく買い物をしてもらえたとしても、記憶に残らなず2度目の来店は叶わないかもしれません。

そうならないために「あなたのお店はどんなお店ですか?」という質問に簡潔に答えられる必要があるのです。

このシンプルな質問に答えるには、あなたのお店の強みであったり、他のお店とは違うオリジナリティを考えておく必要があります。

コンセプトを決めよう

「あなたのお店は、誰に何を売るどんなお店ですか?」というシンプルな質問に答えられるようになったら、いよいよお店のコンセプトを考えてみましょう。

コンセプトとは、あなたのお店の概念であり、軸となる考えです。お客さんにも伝わるよう短いフレーズで簡潔に伝えられるようにしましょう。

コンセプトに正解はありません。残念ながら必ず成功するコンセプトというものもありませんが、ヒントとなるかもしれない考えをご紹介しておきます。

お客さんに与えられる価値を何?

買い物をするという行為は、その先にある「価値」を得るためにお金を支払うと事です。

「ドリルを売るなら穴を売れ」というマーケティング業界でよく使われるフレーズがあります。これは、「ドリルを買うお客さんはドリルが欲しいわけではない。穴をあけたいからドリルを買う。」という教えです。「ドリル」は商品、「穴」がお客さんが「本当に欲しい価値」になります。

お客さんが本当に欲しいのは商品のその先にある価値です。あなたのお店で売られている商品を買う事によって、お客さんはどんな価値を得られるのか。これを良く考えてみてください。

例えば、おしゃれな服を売るお店は、お客さんの「センスが良いね、と憧れられる自分になる」という願望を叶えてくれる存在になります。着心地の良い服を売るお店なら、「リラックスして素の自分でいられる時間」というニーズを満たしてくれることでしょう。

こういった商品の先にある、お客さんへ提供できる価値を考えてみてください。
きっとコンセプトを決める助けになってくれるはずです。

コンセプトの参考例

参考までに有名ショップのコンセプトをいくつかご紹介しておきます。
他にも良いコンセプトを掲げているお店はたくさんあります。ぜひ探してみてください。

『カワイイ!』に目がない女子のための、スーパーセレクトショップ。

イーザッカマニアストアーズ

女性のカジュアル服を取り扱い、ぷちプラファッションを率いてきた老舗でもあります。ターゲットは20代~30代女性ですが、大きめサイズがあったりナチュラル系の服も多いので、幅広い年齢層が購入しています。ファッションを通してテンションあがる、そんな購買経験をしてもらうべく、商品はもちろん、サイトデザインやコンテンツ、配送にも一貫した世界観を見事に表現されているショップさんです。

しあわせ食を、九州から。

タマチャンショップ

九州発の自然食品屋さんです。安心・安全で、おいしく栄養いっぱいの「食」を楽しみながら、健康に、美しくなれる、そんな食を「しあわせ食」と呼び、お客さんに提供されています。そんなコンセプトが成功し、その思想に共感したファンを多く獲得しています。デザインや写真などのビジュアル面はもちろん、コンテンツや文章など細部に至るまで随所に想いが詰まっていて、そのブレない安定感のある考えはそのままお店の信頼感にもつながっています。

日本の工芸を元気にする!

中川政七商店オンラインショップ

創業300年の歴史をもつ商店。日本の工芸をベースとしたものづくりをされています。「ものを売る」から「ブランドをつくる」という事に注力し成功したモデルケースとして、様々なセミナーや書籍などで取り上げられています。そのシンプルで力強いコンセプトのもと、物販だけでなく、コンサル・教育、地方活性などの事業も手掛けられていています。

家でも職場でもない第3の居場所『サードプレイス』の提供

スターバックス

とても有名なコンセプトです。ネットショップではありませんが、世界的に大成功をおさめたコンセプトなのでご紹介しておきます。「家庭」でも「職場」でもない、第3のリラックスできる居場所が『サードプレイス』です。
当初のターゲットである米国のビジネスマンたちは、家庭では良きパートナーとして、職場では仕事人としての役割を持つ方々でした。彼らがそれらの役割から解放され、素の自分を取り戻せる場所として、スターバックスという居場所を提案したのです。

お店の名前を決めよう

お店の軸となるコンセプトが固まったら、店舗名についても考えてみましょう。

コンセプトが決まっていると自分のお店は、どういったお店なのか、どのようにお客さんに見られたいか、などがクリアになってきていると思います。ぜひコンセプトを体現できるようなショップ名をつけてあげてください。
いくつか店舗名を考える時に気をつけてあげたいポイントを挙げておきます。

簡潔にシンプルなネーミング

ベストなのは店舗名を見ただけで何屋か分かるようなものです。もしくは記憶に残る店舗名でも良いです。

お客さんがあなたのお店の商品を気に入っても、「また買いたいけど、あのお店・・・なんていう名前だっけ?」と探せなかったり、「良い商品だったから友達にもおすすめしたいけど、お店の名前なんだっけ・・」とクチコミの機会を失ったりという事があるからです。

なんとなく響きがオシャレだったりという理由のネーミングは要注意です。耳に心地の良いワードというのは、さらっとしすぎて記憶に残りにくい場合も多いです。実際、声にだしてみたり、文字に書き起こしてみてチェックしてみましょう。

オリジナリティはあるか

つけようと思っているお店の名前と同じショップがないか、商標登録されていないかなどもチェックしておきましょう。お店が成長するにつれ、お店の名前は変える事が難しくなってきますので慎重に検討しましょう。

商標登録されている名称は店舗名として使わないようにしましょう。商標登録されていなくても実際Googleなどでweb検索してみて、同じ名前の団体やWEBサイトが存在しないかもチェックしておきましょう。将来的にそこと検索エンジンの表示順を競わなければならなかったり、ドメイン(URLの一部)がすでに取得されていたりと問題が出てくる場合もあるからです。

商標調査は以下のサイトなどで確認できます。
特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP]

さて、以上が「ネットショップを始めようと思ったら決めておきたいーコンセプト設計の話」です。

数あるネットショップの中で選ばれ愛されるお店になるために、とても大事な基本の考えですので、ぜひ皆さんも少し時間をとり考えてみてください。参考になれば幸いです。